Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 186.659 Zeichen · 372 Bildschirme

Aozora Bunko

突として、朝廷から秀吉にたいし、関白の宣下があった。

前関白の二条昭実に代って、爾今、関白たるべしとの大命である。

晴季の暗躍によることはいうまでもない。由来、禁中雲裡の政治的なうごきは、武門のそれ以上、秘密が保たれやすかった。朝野の人々は茫然とした。この発表は、たれもが、意外としたのである。

「有史以来の異例じゃ」

「平の清盛が、太政大臣となったのを、古今の異例といわれたそうだが、清盛はまだ平氏の帝系をひいた者。……氏素姓もない、一匹夫とはちがう」

当然、公卿の中に、物議が起った。紛々たる不平がたかい。

しかし、程なく、議論も不平も、掻き消えてしまった。秀吉の人心懐柔は、すぐ功を奏した。一群の空論家が、しかも古い故典旧慣を唱えてみても、それが何の力であるはずもない。世は実力の時代だ。実力のみが人をうごかし世を処理してゆく。七月十三日、秀吉は、拝命の御礼として、南殿に猿楽を催し、叡覧に供えんと称して、天皇、皇子、五摂家、清華、その他の公卿、諸大夫、諸侍までを、こぞって招待した。

演舞は、午前から午後にわたった。そのうちに、夕立が来て、舞台も観衆も、ズブ濡れになったが、正親町天皇も、秀吉も、座をうごかないので、舞人も見物も、そのまま興をつづけていた。