Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
――浅井長政の臣、宮部善性坊といえば、かねてうわさにも聞いていた英傑だが、聞くと見るとは大ちがいだった。こういう人間が、得て、主家を亡ぼす害賊となるのだろう」
面と対っている者を相手にもとらないで、あたりの人々へはなしかけるように藤吉郎はつぶやいた。
善性坊は、いよいよ躍起となって、
「わけを申せ。やいッ、そこな猿面郎、理もなく、武士を誹る法やある。百姓そだちの成上がり者、武士を遇する道を知らんかッ」
と、罵った。
軽く笑いかえして、
「武士として遇せられたくば、なぜ武士らしい道をふまぬか。武将らしい戦をせぬか。――聞け、善性坊、汝をはじめ、同腹の浅井七郎右衛門、同じく玄蕃、三田村右衛門大夫などの徒は、決して、主君浅井長政の命によって、わしの留守城を襲撃したわけではあるまいが」
「ばッ、ばかなッ」
善性坊も、一笑を返して、
「主君の命なくして戦うものがあろうか、主人長政のおさしずによって戦ったのだ」
「いや、そうでない。――憚りもなく、左様な放言して怯まぬ馬鹿者だから、わしは汝を、不届き者、不忠者ともうしたのだ」
「な! なぜだ?」
「浅井、朝倉の両家は、叡山において、かたく、信長様へ対して、和議を申し入れたばかりでないか。