Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme

Aozora Bunko

「きょうも、お座所は、そちらでございましたか」

そこへ蜂須賀彦右衛門が来て、笑顔をもちながら手をつかえた。

「オ。彦右衛門か」

「だいぶ、山々の木の芽も、色づきましたな」

「人間も同じだと思わないか」

「ははは。お戯れを」

「戯れではない」

藤吉郎はまじめくさって、

「遠くにいる妻が恋しゅうなる」

あまり真顔なので、

「ここへお呼びなされてもよいでしょう。ならば洲股へ、お迎えをやりましょうか」

と、いった。

すると案に相違して、

「ばかを申せ」

と、頭から叱った。

「ことしは大乱だ。合戦また合戦とならざるを得まい。さてさて、眼先の見えぬ……」

「殿も、おひとが悪い。彦右衛門にそういわせるように、お誘いをかけながら」

「せめて、口にでも、恋しいというて、我慢の鬱をはらしたまでよ。――時に、捕虜の善性坊はどうしておるな」

「なすこともなく、日々、経など誦んでおります」

「本心ではあるまい」

「わかりかねます」

「まあいずれでもよい。将棋でいえば持駒というようなものだ。大事に養っておけ」

「余事ばかり申しあげて、お取次を忘れました」

彦右衛門は、手にしていた一通をそこへさし出した。今浜で静養中の竹中半兵衛からの便りであった。