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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme

Aozora Bunko

苅安城は、坂田郡上平寺、長比の城も同郡の長久寺村、長亭軒の城は、不破郡松尾山にあった。

信長の目的地とは、かけ離れた後方だし、山岳重畳な横道である。

そんなものを、一城一城、気にかけて相手にしていたら、目的の小谷城へ懸るには、半年の余も費やしてしまうであろう。

で、大野木山の関門や、そこらの城砦には、藤吉郎の手勢を残して、信長の本軍は、遮二無二、敵方の本城地へ肉薄して来たものだった。

だから信長は、

「本軍が、小谷を陥すまでは、小勢なりとも、あの男のこと、後方は固く抑えているだろう」

と、安心していた。

ところが、その藤吉郎の木下勢は、信長が龍ヶ鼻へ退陣してから程なく、長浜を立って、これへ参加し、すぐ信長を営中に訪ねて、

「願わくば、次の決戦には、木下勢に先鋒の第一陣を仰せつけられますように」

と、願い出たので、信長は驚くよりも、後方の敵を、どう処置して来たか、疑った。

藤吉郎は、それについては、

「苅安、長比、長亭軒の城など――一括げに、はや落去いたし、敵将樋口三郎兵衛以下、一名も余さず、お味方に降し、それがしが手勢のうちに従えて参りましたれば、はや後には御懸念なく」