Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
そして、三河守へこういった。
「おそれいるが、暫時、城外の味方へ、合図をいたすまで、お待ちくださらぬか」
「……合図を」
三河守は怪しんだ。これは怪しむほうが無理でなかった。
が、藤吉郎は、当然のように、
「さればです。……御主君信長のおむねをうけてこれへ参る折、こうお約束をして来たのでござる。――もし藤吉郎が一命をすてても事のかなわぬ場合は、かならず城中より火気をあげて、破談のあいずを仕れば、殿にもその上には、最後の御決心あって、いちどに城へ攻めかかられますようにと。……また、首尾よく長政どのに会い得て事成るときは、携えて参った自分の小旗を、城中の高い樹に掲げまする。いずれにせよ、それまでは兵をうごかさずに待機あそばすようにと――そう云い合わせて参ったものですからな」
三河守はかれの周到な用意に驚いた面持だった。いや、もっと驚いたのは、茶室の炉辺に、いつのまにか一個の狼煙玉がおいてあったことである。藤吉郎は、城外へのあいずをすまし、客殿へ通ってから、あとで笑いながら話した。
「もし、事成らずと見たときは、遮二無二、もういちど茶室までのがれて、あの狼煙玉を炉のうちへ蹴こむつもりでした。