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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme

Aozora Bunko

さしもの半兵衛にも、施す策がなかった。なぜならば、木下隊には、先頃、長亭軒の城や苅安城――その他、諸所で収容した降参人がたくさん混じっているからである。

それらの降人も、今は皆、麾下の一兵として、藤吉郎の手に加わってはいるが、いずれもつい先頃までは、浅井家や朝倉家の禄を喰んでいた者であるから、当然、敵へ駈け向わせても、その鉾先は弱いにきまっている。むしろ味方の足手纏いとなろう。

木下隊には、そんな弱点があったし、五番、六番の備えも、瞬くまに蹴ちらされて、織田陣十三段の備え立てが、遂に、十一段まで潰乱されてしまった。

その頃。

上流の徳川勢は、一気に、姉川を渡って、対岸の敵を席巻しながら、徐々に、下流へ移っていたが、顧みてみると、すでに信長の本陣近くまで、磯野丹波の死に物狂いな兵が迫っているので、

「あの側面を突け」

と、河中へ躍り返した。

磯野丹波の兵は、自分たちの味方がいる西岸から河へはいって来た人数なので、近づくまで、

「味方の加勢――」

と、思っていたものらしい。

榊原康政を初めとして、三河武士の名だたる武者が、

「くわッ!」

と、息弾ませて、いきなり磯野丹波の隊伍へ、斬りこんで来た。