Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.841 Zeichen · 376 Bildschirme
それはまた天麗の美質といってよいほど美しいお方である。佳人薄命ということばは、そのまま今のお市の方の身の上にあてはまる。
兄信長の政略のために、その天麗をもって浅井家に嫁がせられ、良人の長政と信長とのあいだが不和となって、互いに敵国として呼びあう羽目になった時には、もう三人の子をなして、まだ二十歳を幾つもこえない若さで母とよばれる身になっていた。
去年の暮。
将軍義昭のとりなしで、叡山とも、浅井朝倉の両家とも、織田家としては、和解したことになっているものの、決して永久なものでないことは、その後の諸国のうごきや、僧団の依然たる攪乱策が証明している。
浅井長政にしたところで、もちろんその底意に変りはあるまい。彼は信長の妹聟として、信長には誰よりも愛されていたことを知っている。――しかも信長とはどうしても心から提携できない性格だった。
若人ならばすべてが新時代を理解する若人であろうとはいえない。若い生命をもちながら、時の真髄をつかめない若者もある。長政などは、それだった。
信長の行動は、彼にはただ危険にしか見えなかった。あの行きかたで、時代をつらぬいて行けようとは信じられないのである。