Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme
その年の九月。
両家のあいだに、華やかな婚儀が執りむすばれ、媒人は、
「我なり」
と、信長みずから名乗ってそれを盛大にさせた。
婚儀の後、花婿花嫁は、安土にお礼に来た。至極、似あいの夫婦であった。花婿の与一郎忠興は、後の細川三斎。
花嫁は、明智家の三女で、時まだ十六の蕾であったが、やがて細川家の内室、ガラシヤ夫人といえば、垣間見たこともない者までが、美人だそうな――と噂した。
内には、臣下と臣下との、こういう家政的な些事にも心を用いながら、外にはまた、着々と、大局へ向って、大きな手を打ってゆくことも忘れていない信長であった。
いま、彼の企画にある最大な宿題として、密かに手をつけている問題は、
対本願寺との政治的解決
であった。
それを為すに、
「機会は今だ」
と、彼はみたのである。
およそ信長がここまで来る百戦苦闘のうちに、寝てもさめても、信長の苦慮となっていたものは、本願寺門徒の活躍であった。表面的には、教団という極めて消極的な存在でありながら、その執拗な反抗と、抜けきらない潜勢力とには、まったく手を焼いて来たものだった。
その本願寺に対して、
「一撃に抹殺せん」