Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

春騒譜

「日頃、ひとの前では、薙刀を持つなどはおろか、口すらよう得きかぬほど、内気なあの婦人が……」と。

しかし、彼自身、今はすることが迫っていた。そのまま、狭間から大声あげて敵へ云った。

「信長、信忠の手勢ども、しばし常に返って、虚空の声を聞け。この世の千年も歴史では一瞬。信長いま覇を誇るも、散らぬ桜やあらん、燃えぬ覇城やあるべき。――永劫、散らず、燃えず、不朽のものとは、どんなものかを、いま見せてやる。信玄が五男五郎信盛が見せてやる」

織田兵がそこへ登って来てみた時は、腹十文字に掻っ切った死体のみで、首はもうなかった。そしてここも一瞬のまに春の夜空を焦がす火柱と化った。

春騒譜

新府韮崎城の混雑は、この世の終りを叫んでいるようだった。

「はや高遠も陥ち、御舎弟信盛様以下、城とともに、悉くお討死の由にござります」

こう家臣から聞いたとき、武田四郎勝頼も、動ぜぬ顔色に受けて、

「ううむ、そうか」

とはいったが、さすがに、いまは自分の力の及ばないことを、明らかに観念した容子であった。

つづいて、次の早打には、

「織田中将信忠の兵は、すでに上諏訪から甲斐へ乱入――御被官の一条右衛門大輔どの、清野美作どの、朝日奈摂津どの、山県三郎兵衛どの御子息など、戦うも降るも、容赦なくこれを殺し、斬っては路傍に梟けながら、潮のごとくこれへ近づき