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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

「もう、よい頃です」

官兵衛から、時到れりと、鳥取城の弱まった情報を手にすると、秀吉は初めて、軍をうごかして、敵の城下に迫ったのである。

もちろん秀吉の軍がそこへ到るまでには、因幡、伯耆などに散在する敵の諸砦を、その前年から、次々と、攻め潰して行ったものである。

鳥取の城には、初め、山名豊国がたて籠っていた。

秀吉は、その前に、鹿野城を陥したとき、多くの降人の中から山名豊国のむすめを見出して、陣中に留めておいた。

「豊国ごときは、札つきの豹変武士である。初め、元就の威に伏して、毛利に従い、後には、尼子、山中の勢力に脅かされてそれに組し、近年また吉川、小早川に款を通じて、この一女を人質にさし出していたもの――かかる武士を動かすには、矢弾を消費するまでもない」

と、秀吉は、その第一次攻戦の折には、ほとんど戦わずに、山名豊国の招降に成功していたのだった。

それは、豊国のむすめを、きれいに粧わせて、城から見える麓の丘に立たせ、

「やよ、見給え」

と、城中へ呼びかけたのである。

豊国が、城から見ると、美しく化粧したわがむすめが立たされている。そしてその側には、新木の磔ばしらが聳えていた。