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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

と、二家臣は、問わず語りにまず宥めて、

「すぐ旅立ちのお支度を遊ばして半兵衛重治様とともに、安土へおいでになるのです」

「たれが」

「和子様が」

「わしも行くのだって。……あの安土へ」

「はい」

ぽろぽろと泣いて顔をそむける傅役の二人を、於松は見てもいなかった。聞くと共に、おどり上がらぬばかり手を打って、

「うれしい。ほんとか」

座敷の方へ駈けもどっていた。

そしてお相手の少年や、小坊主の幸徳などへ向って、

「安土へゆくのだ。ここの殿とご一しょに、旅へ立つのじゃそうな。――もう踊りは止めた、鼓もやめた。仕舞え仕舞え」

それから大声してまた、

「兵助、九郎左。衣裳はこれでよいのか」

と、身支度を促した。

そこへ伊東半右衛門が来て、

「湯浴みをして、髪もきれいに束ねてさしあげるように――と、殿からのお気づけでございます」

と、注意した。

二臣は、於松の君を、湯殿へ誘った。そして風呂に入れ、髪もきれいに結い直して、門出の晴着にと、竹中家から贈られた衣裳を着せてみると、肌着も小袖もすべて純白な死に装束であった。

「――さてはやはり、半右衛門どののはなしは、われらを狂気させまいと、一時のなぐさめで、まことは信長公の面前で、お首になさるおつもりであろう」