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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.320 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

敷皮の上に坐る。矢瘡、槍瘡、すでに手がきかない。急ぐほど、手はみだれる。

「御免ッ」

見るにたえず、惣蔵はすぐ介錯した。そしてわが刃に落した主君の首級にとびついて、それを抱えると男泣きに号泣した。

「弟ッ、弟ッ」

十九の弟にそれを渡してお首を持って逃げろという。けれど弟もまた泣いて、どうしても嫌だという、兄と一緒に死ぬという。

「ばかッ。行け!」

突き飛ばしたが、すでに遅い。兄弟のまわりは敵兵の鉄桶と化っている。無数の槍と刃のしぶきをかぶって、土屋兄弟は、華々しい死を果した。

中の弟の二十二歳になるほうは、終始、主君の嫡男太郎信勝の影身にそい、この若い主従も、同じ頃、討死していた。

太郎信勝は、よほど美しかったとみえ、武田一門の死を誌すに少しの同情もない「信長公記」の筆者すら、

御年十六歳、さすが歴々の事なれば、容顔麗はしく、肌は白雪に似たり、潔さ、余人に優れ、家の名を惜み、父の最期まで心に懸け、比類なきの働き、感ぜぬはなかりけり

と、極力、そのきれいな死に際をほめ称えている。

勝頼父子、土屋兄弟以下、討死相伴の衆としては、次の人々の名を列記している。