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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

室町以来、一戦また一戦あるごとに、夥しい不純が純の中へ割りこんで来て農村の姿を殺伐化したが、その荒びきった時流の底にも、古来からの農は、依然粗壁の中に貧しい燈を細々ととぼして、時代の物音に脅えながらも、本然の勤めと農の心は失われていなかったことは確かである。――さればこそ時移れば、さしもの濁流も、ふたたびもとの純に澄むのであった。

「光秀の首はどこから持って来たか」

秀吉の問いをうけると、小栗栖村の長兵衛は、待っていたように幾つも頭を下げて、百姓に似げない弁舌で答えた。

「醍醐道の藪の畔へ、誰知るまいと埋めておいたやつを、後から掘り返して持って参りましたので。はい」

「どうして、そこに埋けてあったものが、すぐ分ったのだ」

「それや分るはずでございますよ。小栗栖村の大竹藪を、日向守やほか七、八騎が通るところを、こいつと見定めて、竹槍で一突きくれたのも、かく申す長兵衛でございますからね」

「おまえが竹槍で光秀を突いたというのか」

「へい、左様で」

「よく致したなあ」

「そりゃあ、大将様の前でござんすが、少しばかり腕にも覚えがありますから」

「百姓もし、腕にも覚えがあるとは、おまえはなかなか隅に措けないしれ者だな」