Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
安国寺恵瓊
にすぎない。「神人の陣」には打ち克てない。
安国寺恵瓊
和議の内交渉について、その日の昼、何度目かの会見を試みたが、やはり何の緒も見られずに、空しく別れたばかりの蜂須賀彦右衛門から、急にかさねて、
(――さっそくに会いたい。できるだけ早いがよい)
という簡単な書面である。
時は、真夜中であったが、安国寺恵瓊は、
(これは、まとまるな)
という直感を信じて、すぐ身支度にかかった。そして使いに来た彦右衛門の子家政といっしょに、約一里ばかりの石井山へ急いで来た。
もちろん彦右衛門は寝もやらず自己の陣所で返辞を待っていた。恵瓊は彼の顔を見ると、
「明朝とも存じたが、何かは知らず、早いほどよいとの仰せに、すぐ罷り越した」
と、いった。
彦右衛門は、さり気なく、
「それは恐縮でござった。明朝でもよろしかったのに、文意の不備、お寝みもさせぬことに相成ったか。しかし早いに越したことはないので」
と直ちに、相伴って、石井山の中腹まで上ってゆき、途中からすこし曲って、俗に蛙ヶ鼻とよぶ所の一軒家まで導いた。
人のいない農家であった。彦右衛門は子の家政にいいつけて、燈火を点させた。