Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
あった。
「おう、ようお越し、ようお越しを」
彼は、喘ぐような声をして、主人の足もとにひざまずいた。
そして武士に、
「御床几をあげてくれい」
と、いいつけ、自分は、さらに片脚を寝かせて、どすと、武者坐りに腰を落した。
「与三左衛門。仔細は、月清からも聞いたであろう。間もなく、自害に赴くこの宗治ぞ。相見るも今のみ。年来のそちの奉公、あらためて礼をいうぞ」
「おめでとうござりまする」
与三左衛門は片手を落した。どうしたのか、急に首の根が折れたようにがくと前へ下がったからである。肩で大きく呼吸をして後、また宗治を振り仰いだ。
「さてさて、またなき御武運にお会いなされましたもの哉。人の一生も生涯の士道も、その仕上げは、よくも悪くも死によって定まるとか申しますが、今日の御生害は現し身の人をも数多生かし、また御自身の一命をも末代に生かす曠の一期。およろこび申さずにいられませぬ」
「よういうてくれた。与三左衛門。悲しんでおくりゃるよりは、ずんとうれしいぞ」
「左様にお心も確とおすわり遊ばしているわが殿のこと。無用の憂いとは存じましたが、何せいきょうのお場所は、敵味方の両大将はもちろん、中国勢も上方勢も眼をこらして見まもっている真っただ中での御生害。