Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
大五と書け
――が、その長浜で、自己の重臣たちを添えて、秀吉の城門まで、秀勝を送り返してからすぐ後になると、ふたたびぐらつき出していた。
というのは、秀吉はもうとく長浜にはいないことが分ったからである。秀吉はあれ以来、京都へ上って、中央の枢機で大いにうごいている。また、山城の宝寺の城をも大改築にかかっているなど、勝家の耳には毒のような取り沙汰が、頻々、聞えて来たからであった。
(かくては、またも秀吉にしてやられん)
と、彼は忽ち元の焦躁に返って、さらに帰路を急いでいた。
大五と書け
七月の下旬。
秀吉はかねての約束を履んで、長浜の城地を、柴田側へ明け渡した。
柴田側でも、その際、秀吉から付せられた条件を履行して、秀吉の希望による勝家の養子――柴田勝豊をそれへ入れることにした。
勝豊は、養父の命によって、越前坂井の城から、長浜へ移った。
なぜ秀吉が、
(勝豊を入れるならば、長浜を譲ってもよい)
と、清洲会議のときに言明したかを、愚かにも勝家は、まだ気づかずにいたのである。
いや、勝家ばかりでなく、その周囲も、世間一般も、何らこれを異として、ふかく秀吉の心事を窺ってみる者はなかった。