Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.758 Zeichen · 383 Bildschirme
という報らせをうけた。
「なに。信孝様が、見えられたとか」
そのとき秀吉は、それを耳にすると共に、ほとんど、床几を倒して駈け出さんばかり歓んで云った。
「馬を、馬を」
彼は、営外に立って、あたりの者へ急きたてた。そしてそれへ乗ってから、
「お迎えに行って来る」
と、陣門の人々へ、馬上から振り向いて、ひと言告げ、淀川の岸まで急いだ。もちろん数騎の部下はあとから駈けつづいた。
満々たる水をたたえた大河のそばには、約四千人一隊、約三千人一隊と、ふたつに別れた軍隊が、船や筏をすてて、馬に草を飼い、兵は河原に憩うていた。
「信孝君はいずれにお在すか」
秀吉は大声で求めながら、自分を見まもる汗くさい兵の中に跳び降りた。
たれも秀吉とは思わなかった。
「どなたでござるか」
「筑前じゃ」
諸卒は初めて目をみはった。
秀吉は迎えも待たず、一部将のあとを見て、兵馬のあいだを押し分けて行った。
照り返す河原の水べりを避けて、出水あとの堤崩れが見える一喬木の下に、三七信孝は、馬印を立て床几をすえて憩うていた。
ふと、振り向くと、秀吉が、何事かを大声で呼びかけながら近づいて来る。
その顔、その目、その声に接すると、信孝は何かしら、はッと、すまないような気持に胸をうたれた。