Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lesen Sie 新書太閤記 (しんしょたいこうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 187.757 Zeichen · 375 Bildschirme
「大殿っ。……ひとまず。……ひとまずここは」
浅見入道道西、国府尉右衛門などである。勝家の大きな体を、鎧の両脇から掻い抱くようにして、
「日頃にも似ぬ御短慮」
と、いまそこの山門から、無理やりに、この人馬の渦の中に連れ出し、口々にあたりへ呶鳴っていた。
「はやく、これへ馬を曳けっ。お館のお馬はどうしたっ」
その間にも、勝家は、
「退きはせぬぞ! 勝家、何とあろうが、ここは退かぬぞ」
猛るばかり、云い募って、さらに、自分を離さぬ幕将たちへ、
「汝いらはいったい、何のために、かくは勝家の討って出るを、阻めるのか。勝家を迎えるあいだに、なぜ目に見えている敵を支えぬか」
と、眼をいからして罵った。
乗馬が、寄せられた。金の御幣の美々しい馬印を持った士卒も、側に立った。
「所詮、ここの支えはなりませぬ。――さあるからには、お討死も、あたら犬死。……ともあれ、北ノ庄までお落ちあって、御再挙をお図りあるなり、その上の御思案もまたござりましょうに」
「ばかなっ」
勝家は、一喝、大きく顔を振ったが、左右の人々は、押し上げるように、彼の体を、鞍の上へ移そうと焦心っていた。
それほど、事態は急だったのである。