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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lesen Sie 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 247.330 Zeichen · 497 Bildschirme

Aozora Bunko

」

こんなにも純情なお君さんがうらやましくて仕方がない。何もかも振り捨てて私は生れて初めて恋らしい恋をしたのだわ。ともお君さんは云うなり。

「子供も捨てて行くの?」

「それが一番身に堪えるんだけれども、もうそんな事を言ってはおられなくなってしまったのよ。子供の事を思うと空おそろしくなるけれど、私とても、とても勝てなくなってしまったの。」

お君さんの新らしい男の人は、あんまり豊かでもなさそうだったけれど、若者の持つりりしい強さが、あたりを圧していた。

「貴女も早く女給なんてお止しなさい、ろくな仕事じゃアありませんよ。」

私は笑っていた。お君さんのように何もかも捨てさる情熱があったならば、こんなに一人で苦しみはしないとおもう。お君さんのお養母さんと、御亭主とじゃ、私のお母さんの美しさはヒカクになりません。どんなに私の思想の入れられないカクメイが来ようとも、千万人の人が私に矢をむけようとも、私は母の思想に生きるのです。貴方達は貴方達の道を行って下さい。私はありったけの財布をはたいて、この勇ましく都落ちする二人に祝ってあげたい。私のゼッタイのものが母であるように、お君さんの唯一の坊やを、私は蔭で見てやってもいいと思えた。