Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
ただ、裏という言葉をハッキリ聞いておかなかったのを不安に思った。
間もなく出雲町の角の交番の前へたったわたしは、丁寧におじぎをしていた。
「この交番の裏ときいて参りましたが、この横町に御座いましょうか?」
すると若い、いかにも事務に不馴れのような巡査は、全く当惑したように固くなって、わざわざ帳面など繰りひろげて見たりしてくれた。わたしは光りの流れてくる資生堂(食堂)の明るい店内を見ていた。白い着物が寸分の絶間なく動く、白い皿が光る、ホークとスプーンとがきらめく、熱い飲料の湯気が暖かそうにたつ、豊かそうに人が出たりはいったりする。わたしもあそこへ腰をかけて、疲れを癒して、咽喉もうるおして、髪でもかきあげて訪ねるところへゆくとしよう。それにあすこで聞けば直に分るであろうと、そうしようとすると、
「向うの横へ曲って、そして右へいってごらんなさい。たしかそんな家があった気がする」
親切に、一生懸命考えてくれて、すこし曖昧ではあるが、そうらしいからと教えてくれた。それを聞くとわたしは、裏というのは後を意味しているであろうことや、資生堂の暖かそうな飲料は、理窟なしに捨ててしまって「違っているぞ」