Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
秋田で育って県の女学校にはいり、女医を志望していた人には、あまりな商業ちがいである。
「全くこの妹には気の毒だったのですけれど――この妹でもいてくれなくっちゃ、――この家業だって、ビールか葡萄酒でなくっては、西洋のお酒の名さえ分らないのではねえ」
お鯉は眼をふせて面伏せそうに笑ったが、
「わたしにしてもよくよくだったのです。姉さんが気の毒でとても離れられなかったので、一緒にいろいろ心配もしましたが、その頃のことはわたしも知りませんでしたけれど、あとで聞いて見ると、姉は、自分の事は自分でする、他人の差図やお世話にはなりたくないと思っていたらしかったのですね」
という令妹の言葉に頷いて、
「ええ、そうなの。そうではないの、あの方だって、誰の差図をうけろのどうのとは仰しゃらなかったし、もともと遺産といっても、あの方がおなくなりになってから、御本邸の方の財産をへらして分けて頂くのでもなんでもなかったのですもの」
「では、もともと貴女のものとしてあったのですか?」
わたしはもうへだてもわすれて、率直に自分の聞きたい方に急いだ。
「広太郎という御子息がありましたの、その方の事は大層信用していらっしゃったので、俺が死んだらば、直にこの手紙を子息のところへもってゆけ、そうすれば、何にも言わなくっても、すっかり分るようになっていると