Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
「そんな事いっちゃ、あたい困っちゃうね。そんなつもりじゃなかったのだよ。こうして来たらば、あたしのいうことを何でも聞くかと思ってさ」
と化の皮を現わしてしまった。
「そりゃあいけないわ女将さん。ふだんの姿だとあたしにも義理があるけれど、袈裟をかけていて下さるとほんとに話好いのだから。第一あなたも苦労人じゃないか、先方のいうことばかりを聞いて、こっちになって考えてくれないからですよ。よく思って見ておくんなさい。誰が一番可哀そうなの、旦那には離れるし、これからさきどうしてゆこうと苦労しているものの身になって考えて御覧なさい。貞操を守れったって、はい守りましょうといって守れなかったらどうするの、かえって恥じゃありませんか? そんなことは約束するものじゃありますまい。それから子供のことだって、十二人もある子供で、腹違いが多いから、お前の子として育って来たものを、また他の者の手へ渡しては子供が可哀そうだからと、すっかりあたしの子になさったのを、誰に教育をたのもうというのでしょう。犯りに外出をいたさぬ事というのも、あんまり人を人間でないように思っているじゃありませんか、旦那の在世のうちだって、一々本邸へ電話をかけて、許しをうけなければ一足も外へ踏みだせなかったので、つい面倒くさいから芝居ひとつ見ないようになってたじゃあり