Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
またある時は名門の出の某男爵が濡衣に扮したおり、彼女は八重垣姫を振りあてられて真面目に化粧い衣装をして、自ら「はじかき姫」だと言っていたことをも思いだす。そのおりも有楽座の出席時間になると急遽として鬘をぬいで急いでいった。そして済ませると直ぐに戻って来て興を逸らさぬようにと勤めていた。彼女が可愛がられるのも理由のないことではない。
彼女の水々しい色白の丸顔とあの声を聴いていると、生れが明治六年だとはどうしても嘘のような気がする。来るたびに若くなって来るとは御定連でさえも洩らす讃美である。彼女の生活が、芸術のためによって生きる意義を見出すとき、彼女が永遠に若き生命の所有者であることを認めなければなるまい。私は思う、彼女はこの後ますます若くなるであろうという事を。そして彼女の芸はますます堂に入るであろうということを。
呂昇の日常は、恒におだやかなものであるという。彼女の心静かに住みなす家には、召使いの一両人が、彼女の思念を乱さぬようにとつつましやかに仕えているという事である。そして彼女は、たった一人の息子とも離れて、全く孤独の芸術郷に暮している。彼女は信仰のかたい聖徒であるという。