Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
一本十三銭五厘だって。だって、たしかな人がいうのですもの嘘ではない。それでね大奮発で手製なのですって、お手伝いをさせられるものは大弱りだわ。みんながよく食べるかって? ううん、不味くっていやだというものが多いから大儲かりなの。だって自弁は御勝手で、つまり芸術座から賄費用が出るのだから。手っとりばやく芸術座の儲けの幾分が、女優須磨子の利益の方へ加わるだけの事だから。そしてね、おかずは何だと思うの、毎日毎日油揚げの煮附け」
いまは外国へいった友達がはなした。私たちは「まさか!」といって笑っていたが、ある夜は、芸術倶楽部の居間を訪れての帰りがけに立寄った人が、
「大変先生も機嫌がよかった。いま一杯やるところだからと進められたが、お須磨さんが土瓶をもっているからなんだと思ったら、土瓶でお燗をして献酬しているところだった」
細かしいことには無頓着な須磨子の話しをした。極く最近、地方興行が当って、しかもこの次からは松竹の手で興行をするようになるので、万事そうした方の心配がなくなるというような、芸術座の前途が明るくなった話しのつづきに、
「こんどの地方興行が当ったので、島村さんもいくらか楽になったので、座の会計の都合が悪かったときに、電話を担保にしてお須磨さんから借りた金を、返そうといったらば、彼女がいうのには、あの時分