Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
より電話の価があがっているから、あれだけでは嫌だというので、それでは止めようとそのままになってしまった」
と言った。それこそ私は根もないことだろうと打ち消すと、
「ほんとなのですよ。先生は貧乏――つまり芸術座は貧乏でも、お須磨さんは財産をつくっているのです。かなりあるのです」
といいはった。奮闘克己という文字に当嵌った彼女だ。
二
傲慢なほど一直線であった彼女の熱情――あの人の生き力は、前にあるものを押破って、バリバリとやってゆく、冷静な学者の魂に生々しい熱い血潮をそそぎかけ、冷凍っていた五臓に若々しい血を湧返えらせ、絶ず傍らから烈しい火を燃しつけた。彼女は掌握しめてしまわなければ安心することの出来ない人であった。そうするには見得も嘲笑も意にしなかった。そのためには抱月氏がどんな困難な立場であろうとかまわなかった。彼女の性質は燃えさかる火である、むかっ気である。彼女に逢ったときにうけた顔の印象には、すこしの複雑さも深みも見られなかった。彼女は文芸協会演芸研究所の生徒であった時分に、山川浦路さんに英文の書物のくちゃくちゃになったのを見せて、
「英語を教わって癇癪がおこったから、本を投げつけちゃった。