Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
させていたのかも知れない。
ともかく此処に、「いまわしいことのおこり」となった、ことのはじめにかえって記さなければならない。こうしたことに似た一字をでも書けば、この頃の純文芸の方面では非常な圧迫を受けるということであるが、これは連日公開の新聞紙上に載せられて、知れ渡った事実ゆえ、その災は受けないことであろうと思う。
二
鎌子夫人は伯爵芳川顕正氏の四女と生れた人である。すぐ上の姉は大阪の巨豪男爵藤田平太郎氏の夫人になっている。その人の上に二人の姉があって生存しているが、どういう訳でか、その姉たちは生家へ帰っていて別に再婚しようともしない。この事は、その家庭が寛やかであって、誰でも父親の鼻息をうかがえば気安くいられるということを語っている。それにも一つは、男子の家督のない家で、長女が外へ出て、末女が家を嗣いでいるという事に、何処となく間違ったところがあるような気がする。年齢からいっても、其処の家で一番若いものに主権があって、おまけに楯になる夫は入婿であるという事は、何となく落附きがなく、力強いところがないような気がする。家事の命令なども思い思いのものとならざるを得ないように思われる。