Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
そして一切弁解の辞を弄ばなかった。この老伯のいたましい立場には、いかなものも同情せずにはいられなかった。誰れにもまして怒りも強かったであろうし、また悲しみも深かったであろうが、子の親である人のそうした場合には、明瞭と自分の不明であった事に頷かなければならなかったであろう。そしてたしかに心の底には、何となく謝りたい気持ち――対社会へではない、鎌子に謝りたい心持ちが湧いていたに違いないと思われる。それはあからさまに示されていた。
鎌子の疵は癒えかけた。その月の廿五日に倉持は郷里栃木県佐野町で、ささやかな葬儀が執行され、身寄りのない彼れの遺骨は、一滴の思いやりのある手向もうけないで土に埋められてしまった事を夢にも知らないで、その事を案じ悩みながらも疵は癒えかけた。健康な肉体が精神のいたみに負けず恢復していった。彼女として、その後をどうしようかと迷わぬ訳にはゆかなかったであろうが、芳川家にとってもそれはかなりの難問題であったに違いない。一日近親の者は寄集って協議をこらした。そして結果は伯爵家を除籍して別家させなければなるまいという事になった。それから鎌子は世間から憎まれているゆえ、全治退院ということが洩れたならば、どういう暴行にあいもしかねないからというので、退院はごく秘密にし、加養する彼女の住居も、充分世間へ