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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

これよりもおもひかれよりも思はれぬるいと浅し、

これを大方のよに恋の成就とやいふならん、逢そめてうたがふいと浅し、

わすられてうらむいと浅し、

逢んことは願はねど相思はん事を願ふいと浅し、

名取川瀬々のうもれ木あらはればと人のため我ためををしむたぐひ、うきに過たる年月のいつぞは打とけてとはかなきをかぞへ、心はかしこに通ふものか、身は引離れてことさまになりゆく、さては操を守りて百年いたづらぶしのたぐひ、いづれか哀れならざるべき、されど恋に酔ひ恋に狂ひ、この恋の夢さめざらんなかなかこの夢のうちに死なんとぞ願ふめる、おもへば浅きことなり――誠入立ぬる恋のおくに何物かあるべきもしありといはゞみぐるしく、憎く、憂く、愁く、浅間しく、かなしく、さびしく、恨めしく取つめていはんには厭しきものよりほかあらんとも覚えず、あはれその厭ふ恋こそ恋の奥なりけれ……

彼女の恋の信仰は頑固であった。彼女は何処までも人生のほろにがさを好んだ。

暖かくかなしい心持を抱いて帰った雪の途中で出来上った小説「雪の日」は、その翌年に発表された。十六になる薄井の一人娘お珠が、桂木一郎という教師と家出をしたというのが筋である。