Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
人気俳優の家庭を知っていることに聴手が興味をもつであろうと思って、そのくせ自分はキョトンとして居睡りの出そうな長閑な顔をしていた。
すると、太棹の張代えを持って来て見せていた、箱屋とも、男衆とも、三味線屋ともつかない唐桟仕立の、声のしゃがれた五十あまりの男がその相手になって、
「なにしろかまわずお金も借りたというじゃありませんか」
といって、サワリを一生懸命に直していた。
「そりゃあまあ、本当だか嘘だか知らないがね」
「いいえ、旦那の知らない借金が、いつの間にか増えているんだそうですよ。あのずぼらやさんが吃驚なんだから、輪をかけた呑気な女だったと見えますね」
「これを着ておいでっていうと、紋付だろうがなんだろうが、其処にあるのを手あたりまかせだったというからね」
「お気に入ると儲かったのだがね」
しゃがれた声はカラカラと高く笑った。
「しかし、たいしたものだって言いますよ。麻布のお宅というのはね、あの女の居間の天井は、古代更紗で張ってあるのですとさ、それが一寸何円てしようっていうのだから剛勢じゃありませんか、何しろ女に生れなけりゃ駄目ですね」
「だが、やっぱり二人老母が附いてるのだろう」