Japanische Klassiker mit Furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.076 Zeichen · 256 Bildschirme
と、隠居たちが派手なしきたりや、お鯉自身もどんなに困っても昔時の通りだということを、どうしようもないように呟くように話した。
お〆さんは、お鯉の真実の親は、ほんとは誰だか分らないのだとも言った。清元倉太夫の子だというがそれは貰いっ児で、浜町花屋敷の弥生の女中をしていた女が、藁の上から貰った子を連れて嫁入ったのだとも言った。
「お鯉さんは清元が上手ですよ、養父さんがしこんだんですからね。十三くらいに、弥生さんの手伝いをしていて、それから花柳界へ出たのです。豪勢な出世もしたかわりに、これからが寂しいでしょうね、肩の荷のなくなった時分にゃ、もう老込んでしまいますからね」
名物お鯉の後日譚は、膾になっても生作りのピチピチとした生の好いものでなければならないと、わたしはひそかに願っていた。すると、かなしいことにお鯉は永平寺の坊さんの、大黒になったという腥さい噂を聞いた。おやおやと落胆してしまった。
願うのではないが、有為の青年と、真に目覚た、いままでの生涯に、夢にも知らなかった誠実を糧にして、遺産は子供と母親たちに残して、共に掌に豆をこしらえるふうになってしまったときいたならば、わたしはどんなに悦んだであろう、それこそお鯉さん万歳をとなえたかも知れない。