Japanische Klassiker mit Furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme
美妙は好きで好きで堪らないが、このお母さんや、もっと強いおばあさんがいる、この家の者にはなりきれないと思うのだった。
そんなこと、自分だけの考えだと思っていたらば、このお母さんも、何か、そんな事を考えているのだなと思えた。
それは、錦子が感じた通りだったのだが、お母さんの方は、息子も厭いでなさそうな娘で、丁度好さそうだと思うが、この娘が自分に代って炊事や、掃除などをするだろうかと考えるのだった。嫁は使いよい女中をかねなければならないというのが、その人たちの女庭訓であったのだ。
錦子は、美妙は師の君ででもよいが、もっと深い交渉も持ちたかった。だが、この家庭の嫁となることは躊躇された。彼女は美妙に愛されて――それよりもっと愛されたいものが芽ぐんでいる。それは、一度根ざしたら、その生涯であろう芸術の芽だった。
「ここいらあたりで身を固めさせたい。」
賢なる母親は、あんまり年若く名をなした息子の盛名が、昨今、すこしなまっているので、なんとなく前途を危惧していた。地方の豪家と縁を結んでおけば――そんな下心がないともいわれなかった。
「武太郎は孝行ですよ。言文一致とかで書きだした時も、まっさきにあたしに読んできかせましたのですよ。