Japanische Klassiker mit Furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme
二
冷たさにも、熱さにも、他の苦痛など、てんで考えている暇のない専有慾の満足と、自由を願うものとの葛藤だったのだ。もとより、いつも掴むものは強い力をもち、かよわいものが折り伏せられるのは恒だが――
二
――これは前のつづきではない。前章は、大正十一年の二月に書いたのだが、その続きがどうしても見当らない、図書館にも幾度かいって探してもらったが、続きの載ったはずの雑誌はあっても出ていない。そこで、よく考えてみたらば、こんなことがあったのを忘れて、続きが出たとばかり思っていたのだった。
こんなこととは、※(「火+華」、第3水準1-87-62)子さんの兄さんの柳原伯が、わたくしの母をわざわざ横浜の手前の生麦まで訪ねられて、続稿を、やめさせてくれまいかと頼まれたのだった。箱入り一閑張りの、細長い柱かけの、瓢箪の花入れのお土産を取出して見せながら、母は言い憎そうにいうのだった。わたしは、そのふらふら瓢箪をみながら、止めるとも止めないともいわないで、母のいうことだけきいていた。
「お困りだそうだから――」
わたしはただ笑った。ありとある新聞が、徹底的に書きつくしたのに、今になってと。