Japanische Klassiker mit Furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme
あたしが、そこが、いけないといえばきっと直しました。」
おお、それは、と錦子は眼をパチパチさせた。これは大変、自分のものも、そんなふうに差図されては堪らないと案じた。だが、
「先生は、ほんとに美しい、よいお声でございますわねえ。」
と、長い袂を、膝の上に、乗せたりかえしたりして、どうして、暇を告げようかとしていた。
「山形の方もお寒いのでしょうね、山田の父の出は、岩手県の山田と申すところですの。いいえ、あたしたちは知りませんけれど。」
美妙の母親は、江戸生れの者には、肌合が違う重っくるしさを、仲たがいをして離れている夫からとおなじにこの娘からも受取りながら、
「でも、あたしも医者の娘ですよ。」
と笑った。東洋のシェクスピヤというような、輝かしいあだ名のあった天才を生んで、しかもその独り子が、色白で美しくって、親孝行で、口答えもしないで、他家の女の子より優しくしてくれる、めったにない息子を持っただけに錦子が、ムンズリと押黙ってしまうと、うちとけて話かけたくても、だんだん渋ったくなる気がして、そう長くは引き止めなかった。
それに、美妙がお酒好きで、飲みだすと帰りが遅くなるし女遊びをする様子も知っているだけに、