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Japanische Klassiker mit Furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

と、悪虐を描くためには、悪虐し、殺人にはみずから殺人するか、そんな世間法な賊は、文壇にどんな功があろうとも齢するを屑よしとしない。特にそんな奴には警察が厳重にしてくれ。だが科学者のいう所の観察であろうと信じている。アジソンの「スペクテートル」における観察者の義であろうと思う。ならば、観察者は清浄無垢の傍観者であり、潔白雪の如くなるべきやと、堂々とやった。

美妙も思いがけなかったであろうが、錦子は泣くに泣けない激しい失望だった。

浅草公園の売茶の店は、仁王門のわきの、粂の平内の前に、弁天山へ寄って、昔の十二軒の名で、たった二軒しか残っていなかった。

観音堂裏には、江崎写真館の前側に、二、三軒あった。あとは池の廻りや花屋敷の近所に、堅気な茶店で吹きさらしの店さきに、今戸焼の猫の火入れをおいて、牀几を出していた。

銘酒屋は、十九年の裏田圃(六区)が、赤い仕着の懲役人を使用して埋め立てられてから出来た、新商売だった。

石井とめという女は、売茶女だとも、銘酒屋女だともいうが、ともかく美妙は、おとめを二百円の身の代金をだして、月三十円かの手当をやり、物見遊山にも連れ廻り、着ものもかってあてがった――後のことは分らないが、はじめの支出を書いた日記を、錦子に開いて見せて、