Japanische Klassiker mit Furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme
二人の結婚は、誰が見ても、するのが当然のようになっていながら、おそろしく気にされていたが、錦子がその相談に郷国へ帰ると、すぐあとから美妙斎が追っかけていって、近くの旅館に宿をとって、嫁にもらって行きたいと切り出した。
美妙斎は居催促でせがむし、錦子はなんでもやってくれという。めんくらった親たちや祖母は、やっと、一家が帰依している学識のある僧侶に相談して、町の人がその問題に興味をもちはじめたのを防いだが、相続人だから千円のお金を附けたということを、町では噂した。
新婚の夫妻となって、作並温泉から帰って来たのは二十八年の暮も、大晦日の三、四日前だった。
それと、前か後かわからないが、箪笥二十円、ボンネット七十円、夜具ふとん八十円何がいくらと、八十銭のあしだまで書きならべて、新聞紙であまり書きたてるから、披露しないわけにはゆかない、これだけの品代金を、金で送ってくれと、錦子は生家に四百何十円かをせびった。
来客には派手な社会の者もあり、見られても恥かしくないようにしたい。今は離れの一室に籠っているが笑われたくないとか、山田家で立かえるとしても、悠暢に遊ばせている金ではないとか、披露の式は都下の新聞紙にも掲載されるだろうから、その費用の領収証は取り揃えてお目にかけるというような下書きは、美妙が書いて渡した。