Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme
お雪に、竜宮城へ泊ったような夜が明けた。
お雪が長く見なれて来た、京都祇園の歌舞の世界は、美しいにはちがいないが、お人形式の色彩だったから、お雪はあんまり明澄すぎる自然に打たれると、かえって、覚めているのか現かわからない気がして、夢幻境にさまよう思いがするのだった。
全く素晴しい朝だった。天地の碧藍が、太陽の光りを透して、虹の色に包まれて輝いている。
「海の向うの、ずっと先方の方は何処ですの。」
「この碧玉の岸にも、椰子の樹が並んでいるでしょう。地中海を越した向うは、アフリカの熱帯地ですよ。それ、あすこがコルシカ島。先日話したナポレオンのこと知ってるでしょう。此処いらは海アルプス。この後の峰がアルプス連山。」
モルガンは細かく教えてくれて、散歩に出て見ようと誘った。
「ええ、あの椰子の下のベンチへ腰かけて見ましょう。」
「その前に、朝の市を見せよう。」
モルガンは花の市のように、種々な花があって、花売りの床店が一町もつづいている、足高路の方へお雪を伴った。
朝市には、ニースに滞在している人たちが、買出しかたがた散歩に出て賑わしかった。お雪はまた呆やりしてしまった。