Japanische Klassiker mit Furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme
どうぞ、弾いてください、梨の花のお雪さん。」
「それも好いでござんしょうね。」
お雪はさからわなかった。四万円のモルガンお雪と唄われたローマンスは、胡弓の絃のむせびが、縁のはじまりでもあったから、モルガンも今、自分とおんなじような思出にひたっていたのだなと、
「室へ帰って弾きましょうか、此処へ持って来ましょうか。」
「岸はあんまり人がいすぎるね、馬車も通るし。」
「でも、みんな、知ってたことですもの。」
お雪がほほえんでそう言ったのは、自分たちの情史は、あんなに評判されたからという意味だったので、モルガンは愉快に笑った。
――お雪が、二度と語るまい、また、弾くまいと、その時、モルガンと自分との恋のいきさつを、胡弓の絃に乗せて、あの、夢のような竜宮、碧藍の天地へ流したそれを、かいつまんで伝えればこんなことになる。
京都の、四条の橋について、縄手新橋上ルところに、小野亭というお茶やがあった。外国人ばかりをお客にするので、そこに招ばれる妓を、仲間では一流としない風習があった。
鴨川をはさんで、先斗町と祇園。春の踊りでも祇園は早く都踊りがあり、先斗町はそれにならって鴨川踊りをはじめた。