Japanische Klassiker mit Furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme
「あたしのように、血縁のものに縁の薄いものがありましょうか、あたくしの母は、十六歳であたくしを生んだといいますが、物心づいてからは、他人に育てられましたのよ、だから、生の母にも逢わずに死なせ、その実母の父親――おじいさんですわねえ、その人は、あたしが見たい、一目逢いたいと、それだけが願望だったというのにこれも隔てがあって逢わずに死なせてしまいましたわ。実父の家とは、父の死後に、義母姉妹の交わりをするようになりましたけれど――」
その、哀れなはなしは、わたしの小さな美人伝に書いたことなのでみんな知ってはいたが、いたましい思いに眼を伏せていた。
悲しい事実も、盛時の彼女には悲話は深刻なだけ、より彼女が特異の境遇におかれるので、彼女は以前から隠そうとはしなかった。ただしんぼうのならないのは、子供があるといわれることだと彼女はいった。
「私に、子供があってくれればですが、でも、ないものをあるといわれるのは、嫌なものねえ。ある時、あなたの子だと、名乗っているものがある、それが誠に美しい容貌の男の子なので、誰しもそれを疑わずにその者のいう通り、あなたの隠し児であるのかと信じている。