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Japanische Klassiker mit Furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lesen Sie 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) von 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 138.172 Zeichen · 277 Bildschirme

Aozora Bunko

しかも、泡鳴氏が清子さんに別れる時、

「もう、あなたとも、永久のお別れですね。」

といったとき、泡鳴氏はこういっている。

「おれはそうは思わない。いつ喧嘩して帰って来るかも分らない。それに坊やは時々見にくるよ。」

泡鳴氏は、そのころ、筆記者に雇った蒲原房枝(後の夫人)と、不義の交わりがつづいていたのだった。

「蒲原とのことならば、もう一月も前から……が出来ていたのだが、私はあなたに対する尊敬は、今日でも持っている。」

とその関係を軽い調子で告白したのだった。

それは、清子にとって、重大なことだった。同棲して七年間、泡鳴の品行に一点の汚点もなくなったことは、清子の誇りでもあり、泡鳴の誇りでもあったのだ。多年の放縦生活を改めたという、家庭の美事光明が、一瞬にひっくりかえってしまったのだ。

清子はその侮辱を、冷静に考え処理しなければならないと思ったが、昂奮した。謀反者の間にいることがたまらなかった。

蒲原房枝は彼女にこういった。

「こんな関係になりましたからって、決して定まった月給よりほか頂こうとは思っていません。私は、お金をもらって囲われているようなことはしたくないのです。