Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lesen Sie 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.562 Zeichen · 179 Bildschirme
て竈の下にしゃがみ、松葉の煙に顔をそむけながら渋団扇を矢鱈にばたばた鳴らし、やがてぬるいお茶を一服、夫婦にすすめて可笑しき中にも、しおらしく、ものこそ言わね貧乏世帯に気を遣い、夕食も遠慮して少量たべると満足の態でころりと寝て、次郎右衛門の食事がすむと駈け寄って次郎右衛門の肩をもむやら足腰をさするやら、それがすむと台所へ行きお蘭の後片附のお手伝いをして皿をこわしたりして実に面目なさそうな顔つきをして、夫婦は、せめてこの吉兵衛を唯一のなぐさみにして身の上の憂きを忘れ、そのとしも過ぎて翌年の秋、一子菊之助をもうけ、久し振りに草の庵から夫婦の楽しそうな笑声が漏れ聞え、夫婦は急に生きる事にも張合いが出て来て、それめめをさました、あくびをしたと騷ぎ立てると、吉兵衛もはねまわって喜び、山から木の実を取って来て、赤ん坊の手に握らせて、お蘭に叱られ、それでも吉兵衛には子供が珍らしくてたまらぬ様子で、傍を離れず寝顔を覗き込み、泣き出すと驚いてお蘭の許に飛んで行き裾を引いて連れて来て、乳を呑ませよ、と身振で教え、赤子の乳を呑むさまを、きちんと膝を折って坐って神妙に眺め、よい子守が出来たと夫婦は笑い、それにつけても、この菊之助も不憫なもの、もう一年さきに古里の桑盛の家で生れたら、絹の蒲団に寝かせて、乳母を二人も三人もつけて、お祝い