Japanische Klassiker mit Furigana
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たびへでて
旅へ出て
宮本 百合子
Lesen Sie 旅へ出て (たびへでて) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.067 Zeichen · 13 Bildschirme
背は低く横に広く好い形に育った小松がそのみどりの葉の所々を赤茶色に染めて居るのは木のために良い悪いなんかは別にしてただ奇麗なものだ、そして又極く美術的なものだ。
木の切り株
栃木県の矢板のステーションのすぐそばの杉林の一部が思い切り長く切りはらわれて居た。
田か畑にするらしい。
まだ新らしい生々とした香りの高そうな木の切り株が短かい枯草の中から頭を出して居る。何でもない事の様で有りながら小雨にぬれてひやっこそうに光りながら皮をぬいだ杉の幹が横たわって居るのと淋しそうにたよりなさそうにして居るあまたの切り株には何かしら思いのある様なみじめなさしぐまれる気持になる。
歎いて居るささやかな木の魂が私の心にとけ込むのかもしれない。
神から生を受けられたものの尊い賤しいにかかわらずどっかしらん共通の思いが魂の一部に巣くって居るんだろう。
こんな事も思った。
ぶなの木
かなり沢山の木々が皆緑りになった中にぶなの木ばかりは、はずむ様な五月の太陽を待ってまだ黄金色で居る。
松杉の中に交って輝いて居るのも麦の畑中に群れて笑んで居るのも美くしい。
葉は叩いたら、リリーン、リリーンと云いそうなかたくしまった光りを持って居て葉のふちは極く極く細かいダイヤモンドをつないだ様にさえすんだ輝きを持って居る。