Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
」
矢代と久慈との渡り合い出したその後で、眼の青い女を抱きかかえた片眼は傍見もせず、しつこくかき口説きながら女の唇の傍へ自分の口をよせていった。その傍で女の亭主は倦くまで理想主義のトロツキストを支持しつつ、現実主義のスターリン派を罵倒してやめなかった。
久慈と矢代の頭も、そのアメリカ人の英語が強く響いて来て議論もぱったり停ったままだったが、突然、久慈は、
「しかし、僕らから理想がとれるか。理想をとった頭というもので、どうして建設が出来るのだ。」と矢代にいら立たしい声で詰めよった。
「翻訳語で理想を考えるというのは、どういうことかね。田舎者が標準語で都会の理想ばかり考えて、死んでしまうことを云うのか。」
久慈は、はたッと言葉の途絶えたまま少し拳を慄わせた。
「僕らがこの世界のヒューマニズムに参加しようと努力せずに、学問の進歩があり得るか。道徳というものが成立すると思うのか。」
「しかし、僕らの東洋にだってヒューマニズムはあるよ。ちゃんとあるよ。ところが、この西洋のヒューマニズムとはちと違う。どっちが善いかは今云いたくはないが、違うなら接近させるためだって、僕らは少しは自分を考えねばならぬさ。