Japanische Klassiker mit Furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme
「いや、どうも、殴られた殴られた。痛いやまだ。」
塩野は椅子に落ちついてからも剽軽に頭の横を押してみた。
「しかし、君はなかなか豪いよ。あんなときでもシャッタを切っていたからね。」
と矢代は事実塩野の勇敢さに感服して云った。
「一ちょらの写真機壊されそうになったが、このときだと思って撮ったんだよ。何が撮れてるか今夜は見ものだぞ。まったく偶然に挟みうちに会わされたんだからな。逃げようにも逃げられないんだ。しかし、あの鉄甲には感心したね。ぴたぴたっと締めよって来た鮮かさは見上げたものだよ。動けないんだ。」
思い出すと蘇って来るらしい興奮に塩野の顔は赤く染まり、口から泡が飛び出した。
「左翼に一人強い人がいたわ。無茶苦茶に暴れてるの。」
真紀子のそう云うのに塩野は、
「うむ、いたいた。」
と頷いた。
「でも、真っ先に飛び出ていった女の人ね。あの方にもあたしびっくりしたわ。あんな人やはり日本にいませんわね。あたし、見ていてはらはらした。」
千鶴子はそのときもそうして見ていたらしく両手を胸の上に縮め、表情のある眼に変った。
「中田さん、見たでしょう。明日ベルリンへ行くのに、いい土産になりましたね。