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Japanische Klassiker mit Furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lesen Sie 旅愁 (りょしゅう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 576.941 Zeichen · 1138 Bildschirme

Aozora Bunko

てしまうにちがいあるまいと矢代は思った。またそれは中田のみとは限らず、おそらく誰でも愚の骨頂として矢代を笑い捨てることだった。今も彼はそれを思うと、塩野にそっと自分のその結婚の愉しさを洩らしたところを想像してみて、彼の愕きあきれる顔が泛び突然おかしくなって笑った。

「ほんとに中田さん、今ごろは苦しんでいるよ。真面目な人だったからなア。」

不意に笑った矢代の声を中田の狼狽した呻きの追想のためだと、そう都合よく解してくれて云う塩野に、また矢代は合槌を打ってゆかねばならなかった。しかし、一方、彼はこの夢の真相だけは絶対に人に云ってはならぬと、なお笑いつづけながらも、深く思っていくのだった。

「政治学という学問は、みな誰もプラトンへ還るべきものだと思っている風な様子らしいが、僕はあの論理主義みたいな神秘主義を間違えると、きっと今に大変なことになってゆくと思っているね。世界中が美意識の大乱闘をおっ始めるよ。僕はパリにいたときから、中田教授の説には必ずしも賛成しなかったんだが、いまにあの人、帰って来れば必ず変ると思う。君子は必ず豹変するからね。つまり、変るということがなかなか味のある深い論理というものの美しさだということを、君子なら知っているよ。