Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひめくり

日めくり

壺井 栄

Lesen Sie 日めくり (ひめくり) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.884 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

「おやおや、きらわれちゃったわね」

壮一はとみると、これまたしゅんとだまりこくって、目を伏せている。彼の場合は千咲ばかり構われているのが気にいらないのだ。

「壮ちゃんはお兄ちゃんだもん、いい子よね」

「…………」

「いい子だから、ごほうびに、いいもの、あーげる。なんだ」

やっと目の色に生気がただよってきた。

「あてたら、あーげる」

紙包みをとり出すと、壮一は急に顔をほころばせ、

「ご本だ。ご本だ」

本は毎月元子のところへ寄贈されてくる幼年雑誌であった。それを毎月、袋のまま渡されていたので、壮一にはすぐわかったのだ。袋からとり出していると、千咲がよってきて、あーんと叫びながら手を出した。ものはいえなくても千咲は敗けるのがいやだと、ひろみに聞いていたが、目のあたりみるのはおもしろかった。やっと子供の世界に立ちかえったようで、さっきのしめっぽさはいつのまにか消されていた。

「ね、壮ちゃん、もうすぐ千咲ちゃん、ねんねしますからね、ご本みるの、あしたにしましょ」

山形の母が、猫なで声で壮一のきげんをとった。

「ああ、それで千咲ちゃん、ごきげんななめだったのね」

「そうなんですよ。