Japanische Klassiker mit Furigana
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いっすんぼうし
日本の古典童話
楠山 正雄
Lesen Sie 日本の古典童話 (いっすんぼうし) von 楠山 正雄 (くすやままさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.747 Zeichen · 50 Bildschirme
若者はそれをもらって、
「おやおや、一本のわらが大きなみかん三つになった。」
とよろこびながら、それを木の枝にむすびつけて、肩にかついでいきました。
三
するとまた向こうから一つ、女車が来ました。こんどは前のよりもいっそう身分の高い人が、おしのびでおまいりに来たものとみえて、大ぜいの侍や、召使の女などがお供についていました。するとそのお供の女の一人が、すっかり歩きくたびれて、
「もう一足も歩けません。ああ、のどがかわく。水が飲みたい。」
といいながら、真っ青な顔をして往来に倒れかかりました。侍たちはびっくりして、どこかに水はないかとあわてて探し回りましたが、そこらには井戸もなし、流れもありませんでした。そこへ若者がのそのそ通りかかりますと、みんなは、
「もし、もし、お前さん、この近所に水の出る所を知りませんか。」
とたずねました。若者は、
「そうですね。まあこの辺、五町のうちには清水のわいている所はないでしょうが、いったいどうなさったのです。」
と聞きました。
「ほら、あのとおり歩きくたびれて、暑さに当たって、水をほしがって死にそうになっている人があるのです。