Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぎじんのすがた
日本の怪談
田中 貢太郎
Lesen Sie 日本の怪談 (ぎじんのすがた) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.030 Zeichen · 115 Bildschirme
お滝はきっと眼を開けて老婆の姿を見ると口を尖らした。
「煩いよ、何故此処へ来て邪魔をするのだね、彼方へお出でよ」
「まいりますがね、お媽さんの心地は、何ともありませんか」
「煩いったら煩いよ、彼方へお出でよ」
老婆はしかたなしに引返して来た。茶の間には新一が老婆の帰って来るのを待っていた。
「お母さんはどうしているの」
「睡っていたのですが、やっぱりおかしいのですよ」
「おかしいって、どうなのだ」
「やっぱり昨夜のように、彼方へ往けって、私を怒ったのですよ」
「そうかい、へんだなあ」
昼飯になったところでお滝が室を出て来ないので老婆はまた呼びに往った。お滝は坐って何か考えているような容をしていた。
「お媽さん、御飯はいかがでございます」
お滝は顔をあげて老婆の方をちょと見てからまた俯向いた。
「いらないよ」
老婆は困ってしまった。
「でも、すこしおあがりになっては」
「いらないと云ったらいらないよ」
「でも、御飯をおあがりにならないと、お体のために悪うございますよ、では、此処へ持って来ときますから、何時でも好い時にあがってくださいよ」
「煩い」
それでも老婆は打っちゃって置けないので、膳と飯鉢を持って来てお滝の傍へ置いて往った。