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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎじんのすがた

日本の怪談

田中 貢太郎

Lesen Sie 日本の怪談 (ぎじんのすがた) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.030 Zeichen · 115 Bildschirme

Aozora Bunko

その一方で用人は、村役人のしかめ面を眼前(めさき)に浮べていた。

微曇のした蒸し暑い日で、青あおと続いた稲田の稲の葉がぴりりとも動かなかった。草加(そうか)の宿が近くなったところで用人は己(じぶん)の傍を歩いている旅憎に気がついた。それは用人が歩き歩き火打石を打って火を出し、それで煙草を点けて一吸い吸いながらちょと己(じぶん)の右側を見た時であった。

旅憎は溷鼠染(どぶねずみぞめ)と云っている栲(たえ)の古いどろどろしたような単衣(ひとえもの)を着て、頭(かしら)に白菅の笠を被り、首に頭陀袋をかけていた。年の比(ころ)は四十過ぎであろう、痩せて頤(おとがい)の尖った顔は蒼黒く、眼は落ち窪んで青く光っていた。

この見すぼらしい姿を一眼見た用人は、気の毒と思うよりも寧ろ鬼魅(きみ)が悪かった。と、旅僧の方では用人が煙草の火を点けたのを見ると、急いで頭陀袋の中へ手をやって、中から煙管と煙草を執り出し、それを煙管に詰めて用人の傍へ擦り寄って来た。

「どうか火を貸しておくれ」

用人は旅僧に傍へ寄られると臭いような気がするので、呼吸(いき)をしないようにして黙って煙管の雁首を出すと旅憎は舌を鳴らして吸いつけ、