Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんアルプスのごせんきょう
日本アルプスの五仙境
木暮 理太郎
Lesen Sie 日本アルプスの五仙境 (にほんアルプスのごせんきょう) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.125 Zeichen · 10 Bildschirme
大日平
この下りは深い偃松の海を漕ぎ抜けるので可なり疲れたのです。然し辿り着いた東俣の河原は、何という心地よい場所であったでしょう。此処では河が二股に岐れて中央に島が横たわり、島は細かい砂に蔽われて、二抱もある大きなドロヤナギや川楊などが鬱蒼と茂っているし、夫に交って栂や白檜や唐松などもありました。下草は蕗が一面に生えていました。稍や遠く開けた両岸の山は、頂上近く迄真黒な針葉樹に鎧われて、物凄い程に静まり返っていました。上流を望むと今しも入日の最後の光が赤石山脈の一峰を金茶色に焦している所でした。透き徹るような水で汗に汚れた体を洗い、島の中を散歩して帰ると夕食の支度が出来て、お菜には蕗が煮てありました。此夜は電光が頻りに閃いて私達の心を暗くしましたが、午前四時頃に覚めて天幕の外に出ると、しっとりと湿気を帯びた仄明い谷の空気は、強く幅のある駒鳥の高い鳴声に漸くさめようとし、中天に残る有明月の青白い影が、一日の快晴を語っていたのは愉快でした。
大日平
立山の弥陀ヶ原を知っている人でも、大日平の名を聞くのは始めてだろうと思います。この名はつい近頃私達の仲間で付けた名前ですから、知らない人の多いのは当然でありますが、茫漠たる弥陀ヶ原に比べると、誠に小ぢんまりとしていて、如何にも鹿を伴とした仙人でもいそうな所です。