Japanische Klassiker mit Furigana
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にほんアルプスのごせんきょう
日本アルプスの五仙境
木暮 理太郎
Lesen Sie 日本アルプスの五仙境 (にほんアルプスのごせんきょう) von 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.125 Zeichen · 10 Bildschirme
朝日岳の頂上
木は何れも拱に余る大さで、鮮緑の葉を持った枝と枝とが頭の上で籠目を組んでいる為に、晴れた空から華やかに射し込む日光も、下までは届きかねています。諸所の砂地には羚羊の寝た跡がまざまざと残っていました。高原の落葉松林は度々目にする所ですが、渓谷では笛吹川の東沢などで少許り見懸けた外、余り見た事はありません。まして斯様な大規模な深林に至っては尚更のことです。元来落葉松の葉は同じ緑であっても、色が冴えているので、周囲の樹林と自ら別天地をなしている観があります、夫が非常に懐しく思わせる基となるのでありましょう。私達はこの落葉松の林にぶつかると急に足の運びも遅くなって、泊りたいような気になりましたが、前途が案じられて其儘素通りしてしまったことは、今でも残り惜しく思っています。
朝日岳の頂上
大なる期待を以て登り、そして其期待を少しも裏切られなかった許りか、予期以上の景観に接して驚喜した山の一として、私は未にこの朝日岳の頂上附近を歩いた時の心持を忘れる事が出来ないのであります。何という原始的な山上の光景だったでしょう。夫は一度登って体験した人でなければ、いくら説明しても会得することは不可能であろうと思います。